2018年2月20日火曜日

”スマホの真実”からエシカルな選択へ

2017年度開発教育・国際教育セミナー(実践編)「学校で、地域で広げるSDGs」

◆第二回 2018年2月18日(日)10:30~16:30 ”スマホの真実”からエシカルな選択へ

 講師:田中滋さん 特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長


私たちが手にしているスマホ、携帯電話。

☆あなたにとってスマホとは?
情報ツール?つながり?エンターテイメント?

☆今のスマホ何代目?

☆どういうきっかけで買い替える?

いかがでしょうか?

スマホが私たちの手に届くまでどんなことが起こっているのでしょうか?
今回の講師の田中滋さんはまさにそのフィールドに出かけ”スマホの真実”を目撃し
私たちに伝えてくださいました。

午前中は今日知りたいことを参加者の皆さんから出していただいたり
スマホに関するクイズなど。

日本での携帯・スマホの契約数は日本の人口を超えています。
世界ではどうでしょうか?世界でも人口以上の契約数があるのです。

未開の地においても電話線がなくてもつながる携帯。
世界のあらゆるところで使用されています。

スマホは何で出来ている?
スマホの中身にはどんなものが入っているのでしょう?
電子部品?レアメタル?
なんとなーくわかるような気がするけど。。。

タンタル、タングステン、ニッケル等 スマホや携帯には多くの鉱物が使われています。
電池の持ち良くしたり、通話音質を向上したり、軽量化などスマホの進化に伴い
その鉱物たちは必要とされます。

午後には、レアメタルにまつわるコンゴでの紛争鉱物とその後の話。
そしてフィリピン、エクアドルにある鉱物資源利用の裏側にある問題。
日本企業もそこに加担しています。

スマホだけでなく私たちが便利を求めて利用している家電などにも
鉱物は使用されています。
鉱物が採掘される場所では人々が今までの暮らしを奪われ、環境も破壊されています。
私たちが便利を手にする一方で生活が脅かされている人たちがいるのです。

持たないという選択を出来る方はなかなかいないと思います。
それならば、その製品の裏にあるストーリーを知ることです。
知ったとき、何ができるか。。。
なるべくそのスマホや携帯を長く使う。
ショップに言われたままに買い替えない。
環境や社会問題を引き起こしている鉱物・金属を使っているのか?
企業としての責任を果たしているのか?まずはメーカーなどに声を揚げることも
私たちにできることのようです。

意識をもってエシカルを選択していく。私たちにできることから。
エシカルケータイキャンペーン
http://www.ethical-keitai.net/

2017年11月5日日曜日

SDGs入門編/多文化ルーツの隣人と作る豊かな社会

2017年度開発教育・国際教育セミナー(実践編)
「学校で、地域で広げるSDGs」

◆第一回 2017年10月29日(日)10:30~16:30
 午前の部:SDGs入門編
 午後の部:多文化ルーツの隣人とつくる豊かな社会

まさかの二週連続の台風接近。
この日は大阪に最接近が予想され、開催されるかどうかもドキドキでした。
セミナー開始直前には大雨が降りだしましたが、30人を超える参加者となりました。

●午前の部:SDGs入門編
 講師:大阪大谷大学 人間社会学部 准教授 岡島克樹さん

 7月には京都の開発教育セミナー、8月のJICA関西の教員セミナーでもSDGsにふれていましたが、今回は岡島さんからSDGsの概要と特徴を教えて頂きました。

 SDGs(持続可能な開発目標)は2015年に達成期限を迎えたMDGs(ミレニアム開発目標)の後継として国連で採択されました。

 MDGsは途上国をターゲットにした開発目標でしたが、SDGsは途上国も先進国も対象となっており、ボーダーレスに「誰一人取り残さない」目標になっています。なので、日本に住む私たちもこの目標に向かってアクションしていける身近な目標としてとらえることができます。

 私たちは日々の大量消費や、気候変動など、これでは世界は続かないということを認識しはじめています。途上国の状況改善だけではなく、先進国側も今の生活を変えていかなくてはならない。岡島先生のお話の中で、このSDGsの特徴は「変革性」にあるとおっしゃっていました。SDGSには17の目標があり、169のターゲットで構成されています。世界にある様々な問題は個々ではなくすべて繋がっています。MDGsはNGOや国連職員だけで作られたものであったようですが、SDGは取り組むべき課題を多くの人たちがかかわって作られたというお話もありました。それは、社会の多様性に気づき、「社会的、環境的、経済的」な側面をとらえて取り組んでいく目標です。私たちの身の回りにある問題だけでなく、世界にはどんな社会課題があるのか進んで知っていく必要があるなと思いました。

 午前中の後半は、「SDGsを自分事にする」ワークをしました。
自分自身がかかわってきた活動を整理し、SDGsのどのゴールに関わっているのかを参加者で共有しました。

 でもでも、世界の問題、社会の問題にアプローチってなかなか大きな話すぎて、自分の行動がどうつながるんだろう?どうやってつなげていくんだろう?という疑問があり、講座が終わって先生に聞きに行きました。

 「地域で小さく活動してるんですけど、この目標に向かっているとはわかるんですが、末端市民の活動がSDGsを揺るがす方法ってあるんでしょうか?」という問いに対し、先生曰く、「僕だったらアプローチしていきますね。」と。

うーん。そうは言うけどねぇ。みんなが全力でその目標に向かっていく必要があるようです。2030年、SGDsの目標達成時にどう社会が変わっているのかを傍観するのではなく、一人一人が行動する必要があるということを実感する講座でした。

関連HP:総務省 政策統括官 持続可能な開発目標

●午前の部:多文化ルーツの隣人とつくる豊かな社会
 講師:すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RINK) 
    事務局長 早崎直美さん

 去年の寄付のワークの出会いをきっかけに、パレット中でも早崎さんの活動もっと聞きたいねーとみんなで話していました。午後の時間は早崎さんの活動の話を改めてお聞きし、いま日本にいる外国人労働者の置かれている状況を知る時間となりました。

 身近なことから世界と私を考える授業II―オキナワ・多みんぞくニホン・核と温暖化
の「多みんぞくニホン」のワークをもとに人物事例を早崎さんに提供していただき、パレットで再構成しました。

 人物事例(人物カード)には
・インドネシア人の技能実習生
・ベトナム人の留学生
・タイ人のタイ料理のコック
・ネパール人の高校生
・中国人のIT技術者
・フィリピン人の介護施設労働者
・ブラジル人の工場労働者
 それぞれの日本での生活背景などが書かれていてグループ内で共有しワークしました。

 とくに最近テレビなどでも多く取り上げられている「技能実習生」の問題。彼らを取り巻く状況なども知ることができました。それぞの人がもっている在留資格についても知る機会となりました。

 「新日系人」と呼ばれる存在も初めて知りました。
日本がバブルの頃、日本で労働していたフィリピンの女性たち。その後日本人男性と結婚する約束だったが結婚せずに、その日本人の子どもを産んでその後フィリピンに帰国した女性が多くいるそうです。その子どもの日本国籍を取ることを支援し、親子で日本に定住できるように支援する団体が最近あるそうなんですが、実際の目的は労働者としてのそのお母さんの存在が必要な人材となっているようです。来日に係った費用などの借金として抱え、そのために生活が苦しい状況といった方もいるそうです。

 日本政府は在留資格のなかに「介護」という資格を増やしました。
これから人口減少していくなかで、日本人がやりたがらない仕事を外国人が埋めていくことになります。政府は確実にその数を増やしています。しかし、私たちはその外国人をちゃんと受け止めているでしょうか?

 今回のワークショップではグループを町内会と捉え、上に紹介した外国人を町内にいる人とし、それぞれの人物カードから「外国人が困っていること」をピックアップしてもらいました。グループ内でシェアした上で、その困りごとを、町内会の隣人として同アクションしていくかというテーマで後半話し合いました。

 みなさん積極的にその外国人の方と共に生きることを考えてくださいました。
今回は人物カードと言うかたちでその外国人の背景を知ることができましたが、実際の社会では「なんか近所に外国人さんが住んでいるみたいやけど、どこの国の人?なにしてるんやろ?話しかけても大丈夫かな?何語でしゃべってみたらいいんやろ?」など、最初のとっかかりの壁が大きいような気がします。

 講師の早崎さんも個々の相談者さんとのかかわりはあるけれど、それを社会でどう受け止めるという話し合う機会はなかったので、今回のワークショップを見て、こういうことも必要だねと講座後、感想を述べてくださいました。

 ワークの終わりにはやさしい日本語(拡大中)⇒(ひろがる)の記事をご紹介しました。外国人だから外国語でしゃべるんじゃなっくって、日本にいる外国人は日本語がわかっている場合も多いようです。やさしい日本語から接することだったらできるかもしれません。大阪ボランティア協会では多文化子育て支援ガイドブック『日本語でつたえるコツ』を発行し、外国人のママにむけた子育て支援の在り方を提案しています。

★最後に

 私たちの便利な生活を支えてくれている外国人労働者。
 彼らがいなくなったら私たちの便利はなくなります。
 確実にその数が増える中で、制度や政策だけの問題と捉えるのではなく
 社会の一員として彼らを受け入れ、共に暮らしていくことを考える機会となりました。

 パレットメンバーの感想
☆早崎さんがRINKの活動を紹介する中で、「外国人の人々が住みやすい社会は、我々日本人にとっても住みやすい社会である」ことが印象的だった
☆「最後に、DEARの佐藤さんからのまとめにもありましたが、今隣にだれが住んでいるかもよくわからない、あってもあいさつ程度のご近所付き合いの中で、外国人の方に何かする、たかだか声掛けでもとても敷居が高くなってしまっている現実をまざまざと感じました。だからこそ、こんなことのような小さな声掛けが異国の地で生活する外国人にとっていかに心強いものかということですよね。」

身近なことをグローバルな視点でとらえて社会全体を見通していく。
午前中のSGDsのワーク。そして午後の外国人労働者の問題を見渡す一日でした。

終了の時間には台風一過。
雨も何とかやんで終わりました。

皆様ありがとうございました。

次回、第二回は2018年2月18日(日)10:30~16:30
   (申し込みは一ヶ月前から始まります)
   ”スマホの真実”からエシカルな選択へ
   講師:特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長
      田中滋さん

パレットミーティング次回は2017.11.12 アイハウス交流スペース 13:30~
開発教育に興味のある方参加できます。
次回の内容は10.29日の反省会、持寄りのワークをします。

2017年1月30日月曜日

社会を変えるおカネのはなし~エシカルなお買い物編~

2016年度開発教育・国際教育セミナー実践編
「私の暮らしが⇒世界をつなぐ、社会を変える」というテーマの今年度最終回を開催しました。

■第三回
2017年1月29日
社会を変えるおカネのはなし~エシカルなお買い物編

前回に引き続き「おカネ」のはなし。
今回はもっと身近に、日常のお買い物から社会を変えていこうというお話。

いつもこのセミナーでは会場に来られたら一旦好きなお席に座っていただき、その後アイスブレイクでグループ分けをします。今回はもう一度行ってみたい都市、建物を皆さんに思い浮かべていただき、アイウエオ順にぐるーっと円になっていただきました。一番多かったのが沖縄でした。理由が仕事ではいったことあるけど、、、プライベートで行ったことがないので、とのこと。教員の方が多いこのセミナー!なるほど。
あとは学生時代の留学先など様々でした。


午前中はおなじみの地球の食卓を使ったワークをしました。
・中国(2地域)・ドイツ・アメリカ・エクアドル
 の写真を眺めながら、、、
 
 最初は国を明かさずにそれぞれの写真をみて、この家族にホームステイした自分を想定し、グループで話し合いました。
その後、中国の2つの地域の食生活の違い、アメリカとドイツのそれぞの家族の食生活、生活スタイルの違いなどを話し合いました。
最後に、日本の家庭の写真をみてその中の良いところ悪いところなどをグループで話し合いました。ファシリテーターの佐藤さんの実はこうなんですよというお話にどよめきが起きたり。写真から見て取れる情報や、その裏にある情報、フォトランゲージの手法を用いて地球の食卓を実感しました。
地球の食卓を持っていたけど、使ったことがないという参加者の方にも参考になったようです。

午後はまたグループ替えから始まります。
「12月、1月」で買った洋服何着ありますか??
みなさんどのくらいお買い物してるのだろうという私の疑問から。
さすがにパリッとわかれました。半数以上は0でした。
バーゲンシーズンなのでもっとお買い物してるのかな??とおもいきやの結果でした。
若い女性はやっぱり買ってますね。(笑)

午後はまず自分のお買い物の基準を考えていただこうとおもい
「野菜・くだもの・お菓子などを買うときに大切にしていることはなんですか?」
というお題でみなさんにブレインストーミングしていただきました。
やはり品質、値段、安全性などが多く、それ以外の視点にはないでしょうか?と考えていただき
エシカルな視点について考えました。

ん?エシカルって何??
日本語にすると倫理的と言う意味になります。

エシカル消費とは、、、
環境に配慮したり、社会に配慮したり、地域へ配慮したり
価格や品質だけではなく、商品が誰によってどう作られたかなどに目を向けているものを買うこと。
だれかのためになっている、応援したりするお買い物もエシカルな消費です。
本当に幅広い意味があると思います。

次に、エシカルな取り組みをしている商品などを各グループで見ていただき
パッケージなどにある情報からエシカルなキーワードをを拾ってもらいました。
モノランゲージです。

フェアトレードという側面だけではなく、動物実験をしない、長く着られる服、環境に配慮している、クラウドファンディングが成立して出版された本など、それぞれの製品の様々な取り組みをみていただきました。

その後、実際の企業の取り組みとしてマザーハウスの中西さんのお話を聞きました。
企業の理念や途上国とのパートナー関係、そこで働く人々の表情など。
私たちが思い込んでいる「先進国と途上国の関係」とは違う世界がありました。
工場の一工程を担う工員さんではなく、カバンづくりの職人さんとして誇り高くお仕事されている姿、表情はとても素敵でカバンを手に取るお客様のことを考えてくれていることに驚きでした。

私たちも手にしたものがどこでどのような人が作っているのか。
なぜその値段なのかしっかり考えて行く必要があると思いました。

フェアトレードということばが一般化してきてはいますが、企業によってどこに力を入れているかや理念の違いによって、イコールトレード、コミュニティートレードなど様々な取り組みがあるのだなと今回改めて知ることができました。それぞれの物語を私たちはしっかり受け止めていかないといけないなと感じました。

買う人も、作る人も、それを売る人も喜べる社会になれるように。

最後に私がこのエシカルのワークショップを作るにあたっていろいろ調べて、企業の取り組みも大事だなと思いましたが、やっぱり身近なひとが笑顔になることも嬉しいなと思い、お買い物するならば「友産友消」もいいんじゃない?ということも付け加えさせていただきました。知り合いのお店で買い物するもエシカルなお買い物。大きなショッピングモールもいいけれど、地元の小さなお店で会話をしながらお買い物をするそれもエシカルなお買い物。
「生きたお金の使い方」なのではと締めくくりました。

午後のワークはファシリテーターズパレットのオリジナルワークショップとなりましたが。。。
改善点も多く、参加者の皆さんにいろいろ助けていただきありがとうございました。
機会を与えてくださった皆さんに感謝いたします。

ファシリテーターズパレットozatomo

2016年11月24日木曜日

社会を変えるおカネのはなし~もっと身近に寄付と投資編~

■第二回
2016年11月20日
社会を変えるおカネのはなし~もっと身近に、寄付と投資編

この回は、午前は寄付、午後が社会的投資や金融などのお話でした。

なにか人の役に立ちたい、誰かが困っている状況に出会ったとき「私はなにもできないけれど、寄付をしたいと思います。」
と言うような行動があるけれども、それって本当に役立っているんだろうか?有効な手立てなんだろうか?

世の中にあるたくさんの社会的な問題を解決するための「行動」が「解決を導く」ことはないのでしょうか?

というようなことからこの企画が生まれました。

☆寄付編(ファシリテーター:特定非営利活動法人 特定非営利活動法人 とよなかESDネットワーク 正阿彌さん、上村さん)

午前中はのワークの始まりは参加者が輪になって
「"社会を変えるおカネ"と聞いて、思い浮かべる言葉を一つキーワードで大きく書いてください。」
ということを自己紹介と共にシェアしました。

その後、参加者は一万円を手に(疑似ですが、あくまで自分の財布からだしたと想定!!)
寄付をしてほしい三団体がどういう事業に寄付をしてほしいか実際にプレゼンテーションをし
参加者はグループでどこに寄付をするかを議論しました。

☆3団体はこんなところ(プレゼン順)
 青年海外協力隊大阪府OBOG会女子会
 特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)
 すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク


一万円という寄付は、寄付をする側にとっても、寄付を受け取る側にとっても大きなお金です。
そしてそれによって社会を変えることが出来るのかという視点を持つと寄付と言う行動はやはり大きな行動だなと思いました。

私は寄付をいただく側のプレゼンテーターとして参加しましたが、寄付をいただくためには、また団体の目標を再確認できるいい機会になりました。そして疑似でも寄付を受け取り、応援していただけることは嬉しいことだなと思いました。





寄付のワーク後の議論のあとの意見として
・活動を「見える化」することによってより共感が得られるのではないか?
・自分の経験から寄付さきを決めてしまう傾向がある。
・今日は三団体だったかが、世の中には寄付を求める団体がもっとたくさんあってその中から選択するのは難しい、うその寄付などの問題もある。
・お金の使われ方の透明性に不安
・団体の認知度を上げることも必要
・ふるさと納税のしくみをつかって寄付をする制度ができればいいなと思う。
・寄付は身近にある
・一万円は寄付として大きい
・寄付団体のブランドネームに左右される
・メディアに出ている名前がインパクトある(ちゃんとしてない団体でも)
・透明性をどう見極めるか
・人によって視点は違うが、それでいい。
・寄付は感情で決定される、人の意見を聞いても寄付先がかわらなかっら。
・寄付をしたあとも団体を見守ることでお金の使い方をチェックする。
・団体の「人」を見る。
・寄付がどういう風に役立っているのかを知る機会をつくる。学びの場や参加できるかたちであればいい。

寄付をいただいた側として
・活動の見える化が大事だと思った。
・活動のモチベーションになった。
・寄付をいただいたその後の活動に参加した人や支援を受けた人の声を届ける。それをアピールする必要がある。
・社会を変えるお金にするには、もっと根本的な部分に投資することが必要。
・参加する、つながることによって変わっていくのではないか。

「寄付」という行為が世の中を変えることができるのか、どうしたら社会を変える行動につながるのか考える機会となりました。


☆投資編
(ファシリテーター:オイコクレジット・ジャパン 小吹さん)

午後は投資編ということで、自分のおカネをどこに預けている?
どんな預け先がある?ということをみんなで出し合いました。
銀行に預けるだけではなく、様々な形がありました。

その中でも銀行に預けている場合、その銀行がどのように運用しているのか?
融資先にはどのようなところがあるのか?その企業はどんなことをしてるのか?

その先には戦争であったり、ブラック企業であったり、環境破壊に加担していたり。
思わぬ部分につながっているという事実もあること。

そうならないために私たちは意志をもって社会性をもった金融機関を選ぶ必要があることがわかりました。

預貯金という形だけでなく、出資や投資という形でもお金を預ける方法があります。
自然エネルギーファンド、マイクロクレジット、NPOバンク等
そのほかにも出資と寄付が組み合わさったものなど。
社会的金融という新しい流れを知りました。
その中でも参加者からも反響のあったKIVAという取り組み
少額の支援から始められ、直接的な効果が見えそうなもので学校現場などでも活用されているようです。どんなひとがお金を受け取るか写真が見れます。

そしてフェアファイナンスという観点でも金融機関が評価されています。
http://fairfinance.jp/
日本の銀行はどうなんでしょうかぜひ見てみてください。


社会的金融を実践することで「お金の流れ」を市民の力で変えることができる
そんな流れが少しづつ広まっているようです。

その後グループワークで家族を想定して、1000万円のお金の預け先を考えました。
銀行や定期預金や株式投資、今日学んだ社会的金融への投資など
ポートフォリオを作成しました。

なかなか家族構成などによっても考え方は変わることや。性格でるよね。。。という話もありました。(笑)

小さなことでも誰かのため、自分のため、社会を変える一歩になることをみんなで考える時間となりました。

今回のレポート長くなりましたが。。。情報量満載の回でした。

次回はエシカルをテーマに開催します。

私の暮らしが⇒世界をつなぐ、社会を変える
第3回 社会を変えるおカネのはなし-エシカルなお買い物編-
日時:2017年1月29日(日曜日)10:00-16:00
会場:大阪国際交流センター
https://www.jica.go.jp/kansai/event/2016/161121_01.html

2016年11月7日月曜日

いま、もっと知ろうブラジル

2016.10月 連続セミナー ご報告】
■第1回  2016109日(日)13:0016:30  
  いま、もっと知ろうブラジル
  講師:永井しのぶさん(国際教育研究会Glocal net Shiga・甲賀市立信楽小学校)
     森 雄二郎さん(国際教育研究会Glocal net Shiga

 今年・2016年はブラジルのリオ・デ・ジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催されました。長い時差もありましたが選手の活躍を通しブラジルの一部に普段より触れられたことと思います。そんなブラジルをより深く知る機会を目指したのが今回でした。

 「ブラジルの国土は日本の何倍?」などブラジルに関するクイズを通じた「部屋の四隅」のアイスブレイクに始まりグループ内での「4つ(実際には所属・参加動機・ブラジルとのつながりの3つ)の窓」で自己紹介に進みました。意外と知っている?知らないブラジルとの遭遇から始まり会場も温まってきました。

 続いてはブラジルをテーマにした授業展開ということで、①フォトランゲージ ②モノランゲージ ③フォト・モノランゲージを体験しました。
 始めのフォトランゲージでは「これは何?」ということで日本のものにもよく似た優先座席のマークの中に「太った人」も含まれていたり、「これはブラジル?日本?」とブラジルにある日本庭園なども拝見しました。続いてのモノランゲージでは各班に1つずつブラジルの「モノ」が配られ楽しく想像したり、考えたりできました。ちなみに私の班にはマテ茶用のストローがやってきました。

次にフォトランゲージとモノランゲージの組み合わせで説明書と写真・モノが配られ説明を読んで写真とモノを組み合わせるという活動を体験しました。カカオの写真とチョコレートなど分かりやすい組み合わせからブラジル人作家の漫画冊子と褒章の写真の組み合わせなど難しいものまで5点ほどあり、意外な発見は勉強になりました。
最後に3枚の写真を各班で並べ替えてストーリーを考える活動と映像教材を通してアグロフォレストリーについて学びました。例えばコショウ1種類だけの栽培ではなくバナナやマホガニーなど数種類を同時進行で育てることで病害虫による被害を抑え、木陰ができるなど共存し易い豊かな森へ育っていく。その様子は様々なルーツを持つ人々が暮らすブラジルそのもののようにも感じられました。

10分ほど休憩を取ったあとには日系ブラジル人について、その歴史と近・現況についてうかがいました。送り出す国の「プッシュ」要因と受け入れる国の「プル」要因、そしてその当時の社会情勢によって移民が発生することを学びました。
日本人がブラジルを目指した当時は日露戦争後の不況という「プッシュ」要因、ブラジルでは奴隷解放で農園労働者が不足したという「プル」要因があったこと、戦後はブラジル国内での不況という「プッシュ」要因、日本国内で工場労働者が不足したという「プル」要因で多くの日系のかたが来日したことなどが分かりました。
その後の班での話し合いでは日本語が困難な、外国にルーツを持つ子供が在籍する小学校の先生のお話や高校の先生からはこういった子供たちは小・中を乗り越えられても高校に入るとより人生の進路が具体的になり究極的には日本か母国(か第三国?か?)の選択を迫られ「外国にもルーツがある」ことが活かされない今の日本は残念だ、というご意見をうかがいました。

 オリンピックの開催で報道が増え、より身近になるかと思われたブラジルですが実際には会場の不備などネガティブな報道のほうが多く日系のかたについては特に報道も増えることはなかったようです。なかなか日本からは注目の集まりにくいブラジル・中南米ですが視野は広く持ち続けたいものです。

    【今回のブログはマガーニャ紀子さんが担当してくださいました。】 

2016年2月22日月曜日

防災と国際協力~クロスロードからの学び


【2016.2月 連続セミナー ご報告】
■第5回  2016年2月21日(日)13:00~16:30  防災と国際協力~クロスロードからの学び~ 
講師:浜 尚美さん(神戸クロスロード研究会)

一昨年のワンワールドフェスティバルで、パレットの前身の集まりに参加していた仲間に再開しました。その時に「もともと防災のゲームなんだけど、国際協力をテーマにしているゲーム作りをしている」と耳にして、今年度やりたいこと!の中で提案して実現した回でした。

このクロスロードは、阪神・淡路大震災での経験がもとになった教材で、「クロスロードCROSSROAD)」とは、「岐路・分かれ道」という意味です。災害対応などの難しい選択肢を前に、決断をすることを疑似体験できるゲームです。
 「私」が置かれた局面で、「YES」「NO」のどちらかを意思表示します。
全員同時にカードをオープンしたあと、自分の言葉でその理由をグループ内でシェアします

参加者それぞれの経験値や考え方を表示し、語り合えるゲームでした。
浜さんのゆったりとにこやかなファシリテーションも良い雰囲気でした。

私は防災のゲームをにこやかにできる今日の自分の時間はありがたいなぁと思いました。








神戸の地震から21年。
東日本の大震災から5年。

まだまだ笑顔で過ごされない現実もあるのですが・・・

5年前東日本大震災が金曜日に発生してその週末も確か連続セミナーでした。
ある意味異様な雰囲気でした。
ある参加者はこんなことをしている場合ではないとおっしゃっている方もいたり。

私たちは災害の経験から、備えを学んでいるはずですが、なかなか行動できていないこともあるのではないでしょうか?ゲームの途中に浜さんが何度かおっしゃっていた「こういうことを家族で話し合っておく必要がありますよね。」一つでも家族と話し合っておきたいと思いました。家族をどうやって守る?どうやって行動する?などなど。

浜さんの防災編のあとパレットが作成した国際協力編をやってみました!
海外経験者とそれ以外の方で考え方が違っていたような気がしました。

ゲームという手法を用いて、普段話にくいことなども役になりきって話し合えたり、純粋にゲームに勝つということにこだわったり。様々な場面で応用して使えるクロスロードからの学びでした。

クロスロードの教材は京都大学の生協さんで買い求めることができます。

午前中にはパレットの集まりもしました!
来年度に向けてのお話もちらほら。

来月からミーティング&自主勉強会も引き続きます。




2016年2月20日土曜日

クロスロードの技法から学ぶ

もう明日なんですが。。。開発教育連続セミナー第五回。今年度最終です。
連続セミナーの企画はパレットのメンバーでさせてもらってます。
どんなことをテーマにするか?あの講師にあってみたい!など様々な角度から意見を出し合います。
その後、セミナーの日程や内容を詰めるのですが。。。明日開催のクロスロードの会については事前に講師の先生がパレットのミーティングに出向いてくださいました。

パレットの仲間である森先生(市立中学校教員)が学校で配布される人権だよりにその内容を書いてくださいました。ので今日はそこからご紹介します。

*****以下、森先生の「人権だより」より

5月31日() ファシリテーターズ・パレットの学習会
クロスロードの技法から学ぶ 浜尚美さん(神戸クロスロード研究会)

 私は‘ファシリテーターズ・パレット’というグループで「開発教育」や「ファシリテーター」について学んでいます。毎年JICA関西、開発教育協会、大阪国際交流センターの共催で年5回の「開発教育連続セミナー」を行っていて、私もこの10数年間ずっと参加しています。そのセミナーの参加者の間で、もっと学びたいという人たちの思いから、‘ファシリテーターズ・パレット’という自主学習グループができて、私も加わらせていただくことになりました。月に1回程度大阪国際交流センターに集まって活動しており、今は「開発教育連続セミナー」の企画・運営にも関わっています。

 いつもなら、メンバーで集まって近況報告などをしたあと、誰かがファシリテーター役になってワークショップをします(「パーム油」「水」などのテーマについて学習するという面もあるし、ファシリテーターのやり方について批評し合って学ぶという面もある。)が、今回は特別にゲストティーチャーが来てくださいました。神戸クロスロード研究所の浜尚美さんです。

 淡路大震災のとき、「あなたは食料担当の職員。被災から数時間。避難所には3,000人が避難しているとの確かな情報が得られた。現時点で確保された食料は2,000食。以降の見通しは今のところなし。まず、2,000食を配る?」こんな問題を目の前にしたら、先生方はどういう選択をされますか? 災害が発生すると、さまざまな選択を迫られる場面に遭遇します。でも、実際にその場面になっても、決断をするのはなかなか難しいものです。

 このような阪神・淡路大震災での「実話」がもとになった教材で、「クロスロード(CROSSROAD)」とは、「岐路・分かれ道」という意味です。災害対応などの難しい選択肢を前に、決断をすることを疑似体験できるゲームです。このクロスロードを全国に広めている浜尚美さんは、阪神・淡路大震災の時には神戸市の職員でした。もともとは、神戸出身ではない浜さんですが、震災を経験し、その後クロスロードと出会って、活動されるようになりました。

 先ほどのような場面が示され、「YES」「NO」のどちらかを選んでカードで意思表示をします。選ん
だ理由を各自が自分の言葉でグループの仲間に説明します。ひと通り発言が終わったら、ひと区
切りまで、自由に発言してかまいません。聞いていて「なぜ?」「どうして?」と思ったら、質問するこ
ともできます。ただし、頭ごなしに「それはちがう!」はナシです。お互いに意見を出し合い深めて
いくには、いいツールだと思いました。

 「クロスロード」のいいところは、シンプルなので分かりやすい、違いがはっきりする、生の事例を追体験できる、少数意見を大切に扱える、重たいテーマにも意見を出しやすい、判断のトレーニングになる、年齢や立場に関係なく参加できる、などがあります。もともとは阪神・淡路大震災での体験から生まれたものなので、災害・防災を扱った「災害編」でしたが、「環境編」や「国際協力編」「子育て編」など、様々なバージョンがつくられ実践されていて、進化中です!


 
********まだまだ参加枠があるようですので是非ご参加ください。

■第5回  2016年2月21日(日)13:00~16:30  防災と国際協力~クロスロードからの学び~ 
講師:浜 尚美さん(神戸クロスロード研究会)

申し込みはこちら
お名前・ご所属・電話番号・E-mailアドレスを明記し、FAXまたは以下のホームページのメールフォームからお申込みください。【申込先】FAX. (06) 6773-8421 (公財)大阪国際交流センターHP:http://www.ih-osaka.or.jp/news/20150916_3496/